弊社は、12月20日(火)三井住友銀行本店・東館ライジングスクエア(東京都千代田区)で開催された『未来2017』に”MR流体”(磁気粘性流体)を出展いたしました。
日本の成長戦略の基盤となる先進性の高い技術シーズやビジネスアイデアの「事業化」を支援し、日本経済の活性化に貢献することを目的として、株式会社三井住友銀行と株式会社日本総合研究所が異業種連携によって設立された「事業開発コンソーシアム」が主催するもので、産官学から創出される新たな技術やビジネスアイデアを投資家や事業会社とマッチングを行うピッチコンテストとブース展示を行うものです。
金沢工業大学様と弊社が共同で開発したMR流体は、鉱油やシリコン油に替わり菜種油の変性油である菜種エステル油(※1)を採用しており、鉱物油に比べ生分解性が極めて良好であるため環境に優しいのが特長です。また、寒冷地等の低温環境下でも使用でき、低粘度から高粘度まで幅広い制御が可能となっております。液体中の鉄粉が沈降する問題も解決しており、特許(※2)取得済です。
用途については、電気的に粘度が制御できる力学特性を生かして、自動車のクラッチやブレーキ、サスペンションをはじめ、洗濯機など振動が生じる家電製品への応用や建物の免震装置など、お客さまの各種開発用途に合わせて鉄粉濃度や粘度調整等によるカスタマイズが可能です。
菜種油をアルコールと反応させた油
(MR流体の材料:菜種エステル油、ミクロンの鉄粉、分散安定を確保する分散安定剤)
特許第5472392号
(平成26年2月14日 特許権者:学校法人金沢工業大学、株式会社かんでんエンジニアリング)
磁気粘性(MR)流体は、油に6ミクロン程度の鉄粉を分散させた液体で、電気的に生じる磁界あるいは磁力の強弱で粘度(粘り)を自在に制御できることが最大の特長で、海外ではすでに製品化されております。しかし、使用する油は油中の鉄粉が密度の差によって沈降し油と鉄粉が分離する問題や、分散材に鉱油やシリコン油が使われているため、自然界に漏出した場合の環境影響が指摘されております。