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2025年12月01日

無人ヘリコプター「K-RACER」を活用した送電鉄塔向け物資輸送サービスの実証に成功しました。

2025年12月01日
株式会社かんでんエンジニアリング
エアロトヨタ株式会社
川崎重工業株式会社

 株式会社かんでんエンジニアリング(以下、かんでんエンジニアリング)、川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)、エアロトヨタ株式会社(以下、エアロトヨタ)は、「送電鉄塔向け物資輸送における協業検討に関する合意書」(2025年3月13日締結)に基づき、川崎重工が開発する無人ヘリコプター「K-RACER」を活用した送電鉄塔向け物資輸送サービスの実現に向けて協力して取り組んでいます。
 3社は、「K-RACER」を用いて、送電鉄塔への物資輸送を想定した実証試験を、関西電力送配電株式会社の甲賀訓練場(滋賀県甲賀市)で実施し、荷揚げから送電鉄塔近傍での荷降ろしまでの一連の飛行に成功しました。

(左)自動飛行で物資を運搬する様子

(左)自動飛行で物資を運搬する様子

(右)送電鉄塔の近くで荷降ろしする様子

(右)送電鉄塔の近くで荷降ろしする様子



山間地における送電鉄塔への物資輸送を実現

 今回の実証試験では、山間地に設置された送電鉄塔の近傍への物資輸送を想定し、送電線などの障害物が存在する環境下で、物資(一斗缶・懸垂がいし・工事用梯子等)を輸送できることを実証しました。物資輸送は自動飛行で行い、荷降ろし地点は、離陸地点から目視外の位置に設定し、タブレット端末による遠隔操作で機体位置の微調整と荷降ろしが実施できることを確認しました。

送電鉄塔への物資輸送における課題への対応

 現在、送電鉄塔の定期的な建替、設備更新、保守に必要な物資は、有人ヘリコプターやモノレール、索道、人肩運搬などで運んでいます。特に人肩運搬では、少子高齢化に伴う労働人口減少により、従事者不足が深刻化しています。
 一方で、送電鉄塔の建替や更新、保守に対する需要は高く、今後さらに労働人口の減少が進めば、送電鉄塔向け物資輸送の維持困難リスクが顕在化します。これらの課題に対して、「K-RACER」は、自動結合システムを用いた遠隔操作による荷物の結合・切り離しを採用することで、従事者の負担軽減と省人化を目指しています。また、ホバリング中の機体直下で行うフック作業が不要となり、安全性の向上にも貢献します。

事業化に向けた取り組みと今後の展望

 川崎重工、かんでんエンジニアリング、エアロトヨタの3社は、「K-RACER」を活用し、送電鉄塔向けの新たな物資輸送スキームの構築を目指しています。このスキームは、国内の電力会社、電気工事会社への水平展開ができる汎用性と拡張性を備えています。また、無人ヘリコプター(無操縦者航空機)の安全かつ安定的な運用を支える制度整備にも継続的に取り組み、社会インフラである電力の安全・安定供給の実現に向けて着実に進んでまいります。



<「K-RACER」基本仕様(実証機「K-RACER-X2」) >

【「K-RACER」による物資輸送のイメージ】

-メイン・ローター直径:7m
-最大搭載量:200kg
-駆動方式:レシプロ・エンジン
-燃料:ハイオクガソリン
-航続距離:100km以上
-連続運用可能時間:1時間以上

< 関連プレスリリース(かんでんエンジニアリング) >

〇無人ヘリコプター「K-RACER」を活用した「送電鉄塔向け物資輸送における協業検討に関する合意書」
を締結(2025年3月13日)
https://www.kanden-eng.co.jp/information/info2025/20250313_2.html



< K-RACER HP > 川崎重工(株)HPより

〇川崎重工「グループビジョン2030無人ヘリコプターK-RACER」
https://www.khi.co.jp/groupvision2030/k-racer.html



< 関連プレスリリース > 川崎重工(株)HPより

○無人ヘリコプターの実証機「K-RACER-X2」国内最大となる200kgの貨物搭載能力を実証
(2024年1月12日)
https://www.khi.co.jp/news/detail/20241112_1.html



以上